高齢者施設における虐待とは
高齢者虐待防止法では、「養介護施設従事者等」による高齢者虐待は次のように定められています。
*「要介護施設従事者」とは、有料老人ホームのような介護施設の他、ディサービスなどの在宅サービスも含まれます。
① 身体的虐待:高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
②介護・世話の放棄・放任:高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置その他の高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。
③ 心理的虐待:高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
④性的虐待 :高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。
⑤経済的虐待:高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。
手をつねったり足をたたくなどのあきらかな暴力は虐待と分かるでしょう。
しかし、厚生労働省の「Ⅰ 高齢者虐待防止の基本」によると、
「意味もなくコールを押さないで」「なんでこんなことができないの」などと言うのも心理的虐待にあたると記載されています。
普通に介護職員さんや看護師さん、言ってますよね~
ディサービスを利用しているひで子さん(仮名)80歳
ひで子さんは息子さんとの2人暮らし。
息子さんは仕事があるので、月曜から金曜まで週5日ディサービスを利用しています。
ひで子さんは認知症があり、人に対して「バカ!」と言ったりしますが、明るく朗らかな性格の方です。
ある日、ディサービス利用中のひで子さんを訪ねてみると・・・
30人程が入れる施設内にひで子さんが見当たりません。
すると職員さんが慌ててテーブルの上の視界を塞いでいたバスタオルを外しました。
なんと本来飛沫防止用に設置しているパネルにバスタオルをかけて、ひで子さんが何も見えないようにしていたのです。
虐待でしょー!
「これは虐待ではないですか?」
と言う私にディサービスの職員さんは
「だってひで子さんがひどいことばかり言うのですよー。」
あきれて物も言えません。
しかも、他の利用者さんたちとは席を離して、部屋の隅で1人で塗り絵をしていたのです。
息子さんが見たらショックでしょうね。
その時はディサービスの管理者が不在だったので、後日今後は視界を塞がないようお願いしました。
楽しく1日を過ごしているはずのディサービスでもこのような事が起こるのです。
定期的に訪問する必要があると感じました。