ディサービスでも人付き合いはある。
介護認定を受けて、自宅で介護サービスを受ける利用者さんは、サービスを提供する事業所のスタッフとしか話さないですが、ディサービスを利用した場合は、スタッフ以外に利用者さん同士の会話があります。
ディサービスの介護職員は、利用者さんがつじつまの合わない事を言っても、機嫌を損ねないように上手に対応します。
しかし、利用者さん同士ではそうはいきません。
ディサービスには認知症のある方や物忘れが始まった利用者さんもいれば、頭のしっかりしている人もいます。
のんびりした性格の人もいれば、気の強い高齢者の方もいます。
「あんた、さっきから何を訳のわからないことを言っているんだよ!!」
と遠慮なく言ってくる人もいるでしょう。
介護施設に入所しても、人付き合いはある。
施設に入所したからといって、安心ではありません。
介護施設の中でも、何年もいる「主」のような利用者さんもいれば、入所したての人もいます。
施設によっては、派閥のようなものができている場合もあるので、高齢になっても心穏やかに生活するのは、大変だなぁと感じます。
義母は老健(介護老人保健施設)の4人部屋に入所しているのですが、脳血管性の認知症があり、少し物忘れもあります。
ある日、同室の頭のしっかりした人に馬鹿にされたようで、義母はその人に向かって大きな声で怒鳴ってしまいました。
職員が間に入ったようですが、同室のその相手の方は、職員の配慮で他の部屋へ移っていきました。
老健には医師が常駐しており、興奮して怒っている義母にその日から安定剤が処方されました。
1週間ほど処方されて、その後は落ち着いたので、安定剤は飲まなくてよくなりました。
その頃には、義母は同室の人に怒鳴ったことはすっかり忘れているようでした。
言われたほうは、物忘れのない頭のしっかりした方なので、ず~っと義母に怒鳴られたことは覚えています。
ホールで義母に会っても避けるようにしています。
義母は穏やかな感じの同室の人とは、うまくいっているのですがねぇ。
ディサービスを利用しているさち子さん(仮名)88歳。
さち子さんは週3回、ディサービスを利用しながら、家族と一緒に生活しています。
さち子さんは、曲がったことが大嫌いな性分です。
ディサービスのレクリエーションで、他の利用者さんが少し間違いをしただけで、ものすごい剣幕で怒ります。
ディサービスの職員からすれば、みんなが楽しくレクリエーションに参加してくれればよいと思っているのですが、さち子さんは黙ってはいられません。
「あんた、ちょっとここ違うじゃないの!!」
「そうじゃないでしょ!!」
と、大きな声で間違いを指摘します。
さち子さんに指摘された利用者さんは、指摘されてもあんまり分からないようだけど、なんだかディサービスの空気が悪くなっていきます。
この空気をいい方向に向けるのは、ディサービスの職員の腕の見せどころ。
対応の上手な介護職員さんは、あっという間になごやかな空気に戻していきます。
年をとっても、人付き合いは大変だな~
若い人でも、人付き合いが苦手な人はいますよね。