セルフレジが増えてきている。
最近スーパーでのお会計にはセルフレジが増えています。
レジ打ちは店員さんが行い、支払いのみお客さんが自分で機械にお金を入れるお店もあれば、レジ打ちから支払いまですべて自分でやらなければいけないお店もあります。
セルフレジの近くには必ず店員さんがいますが、高齢者にななかなか大変な作業です。
セルフレジの他に店員さんがレジ打ちしてくれるところもあり、その場合は店員さんがいるレジに並べばいいのですが・・・
セルフレジしかないお店では、自分で商品をバーコードに読み込ませる必要がありますね。
ここまでは何度かやっているうちに高齢者でもスムーズにできます。
問題はバーコードの付いていない商品です。
ばら売りのトマト3ケを買いたい場合、まずタッチパネルの中の「バーコードなし」という項目を押します。
それから数ある野菜の絵が書いてあるアイコンの中からトマトのアイコンを押し、さらに個数「3」と押さなければいけません。
少し物忘れが出現してきた高齢者には、これが難しい。
1人暮らしのとも子さん(仮名)85歳の場合
とも子さんはご主人を亡くしてから1人暮らしです。
最近は膝を悪くして長い距離を歩くのは困難になってきました。
お刺身が好きなので、近所にあるスーパーへ毎日買い物に行くことを日課にしていましたが、最近そのスーパーもセルフレジになりました。
何度か店員さんにやり方を聞いて、セルフレジにも慣れてきましたが、バーコードの付いていない商品のやり方がどうしてもできません。
先日リンゴを2ケ買ったつもりが、1ケ分しかお会計できていませんでした。
それに気づいた店員さんより、お店を出ようとして止められてしまいました。
その日は息子さんがスーパーまで車で送ってきてくれていたので、店員さんに呼び止められている母親をみてビックリしたそうです。
店員さんによると、これまで何度も注意していたそう。
とも子さんはとうとう警察に突き出されてしまいました。
そしてその近所のスーパーは出入り禁止になってしまったのです。
これまで毎日通っていたスーパーを出入り禁止にされて、とも子さんも相当ショックを受けていました。
店員さんがいるレジがあれば、並んだのだけど・・・
とも子さんは認知症の診断は受けていないけれど、最近は物忘れが進んできていたので、セルフレジのやり方を覚えることはできなかったのでしょう。
今後、認知症のある高齢者を地域で支えていかなければいけない私たちは、どのように寄り添っていくべきなのか考えさせられました。