介護に正解はないのだ

介護分野で勤務し23年。自宅で介護をしている方や介護職員のみなさんに、役に立つ情報を発信していきま~す。

お風呂が嫌いな高齢者でも温泉は好き。

ヒートショックにご用心

朝晩の寒さが増す今日この頃ですが、1日の仕事を終えて暖かいお風呂に入るのは至福のひと時です。

施設に入所している方や、ディサービスなどで入浴している方は、施設内や脱衣室、浴室が暖かくしてありますから、あまり温度差はないと思います。

自宅で生活している高齢者の方は、寒暖差に気をつけて入浴しましょう。

イラストで解説】ヒートショックとは|症状・原因や入浴時の予防 ...

部屋や脱衣室は暖かくしていても、浴室は冷え冷えとしている場合があります。

冷えた体を浴槽に入れると、急激に血圧が上がります。

そして体が温まることで、今度は血圧が下がっていきます。

血圧が下がることを喜んでいる人もいるのですが、実はこの急激な血圧の変動がとても体にはよくありません。

冬に浴槽で亡くなる高齢者の方も少なくありませんから、

できれば、浴室も暖かくしてほしいですね。

お風呂が嫌いな高齢者はけっこう多い。

お風呂が大好きで、毎日入浴する高齢者の方もいますが、お風呂が嫌いな高齢者の方も多いです。

洋服を脱いだり、着たりも面倒になってくるのでしょう。

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介護施設に入所している方は、週2回入浴している場合が多いので、自宅で生活している高齢者の方にも週2回は入浴してほしいと思います。

入浴は清潔保持のためだけではなく、血流もよくなり褥瘡(床ずれ)の予防にもなります。

自分でお風呂掃除ができない人は、介護保険の申請をしてヘルパーさんに来てもらうこともできます。

また、ディサービスを利用して、入浴介助の支援を受けてもいいと思います。

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息子さん夫婦と暮らす、やす子さん(仮名)96歳

やす子さんは、若い時からお風呂が嫌いです。

年を増すごとにますますお風呂に入らなくなりました。

家族が何度も説得して、やっとお風呂に入るのは2週間に1回くらい。

1人では入浴できないので、いつもお嫁さんが介助しています。

やす子さんは、2週間に1回しかお風呂に入らないけれど、全然嫌なにおいがしないから不思議です。

そんなある日。

息子さん夫婦と一緒に温泉旅行に行くことになりました。

草津温泉の湯治宿「勉強の宿 月洲屋」。何を勉強?どんな宿?

部屋に露天風呂が付いている旅館に2泊しました。

いつもはお風呂に入りたくないと言うやす子さんですが、なんと4回も露天風呂に入ったそうです。

これには家族もビックリ。

最後の温泉かもしれないからのぅ。

やす子さん、温泉だったらお風呂に入るのですね・・・