1人暮らしの高齢者の数
令和3年6月1日現在の総人口は1億2547万人。
そのうち65歳以上の高齢者は3621万5千人です。
高齢者の総人口の占める割合は、28.8%と過去最高になりました。
2020年9月15日の推計では、いわゆる「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)を含む70歳以上の人口は2791万人で総人口の22.2%です。
75歳以上は1871万人(総人口の14.9%)、80歳以上は1160万人(総人口の9.2%)となっています。
65歳以上の1人暮らしの高齢者は年々増加しており、昭和55年には約88万人(男性19万人・女性69万人)でしたが、平成27年には約592万人(男性192万人・女性400万人)となっています。
令和3年となった現在ではもっと増えていることが想像できます。
高齢者の一人暮らしはどこまで可能か?
年をとっても、住み慣れた家で暮らしたいと願っている方は多いと思います。
それでは自分の体がどの程度動けば、1人暮らしが可能なのでしょうか。
認知症の有無にもよりますが、寝たきりでも1人暮らしは可能です。
ただし協力体制を整え、介護保険サービスの他に協力してくれる人や社会資源を確保しておくことは必要です。
本人は最後まで自宅で生活したいと思っても、ご家族によって介護施設などに入所する場合もありますが・・・
根性で1人暮らしを続けていたよし子さん(仮名)93歳
一昨年にご主人を亡くしたよし子さんは、1人息子さんとの折り合いが悪く1人暮らしを続けていました。
10年程前に大腿骨を骨折して、歩行は困難でしたが、身の回りのことは自分でできており、好きなお酒も毎晩楽しみながら、1人暮らしを満喫していました。
ところが買い物に行くためバスに乗ったところ、バスが急発進して転倒してしまったのです。
救急搬送されて、骨折していることがわかり手術をしましたが、医師からは一生車イスの生活になると告げられてしまいました。
手術後、リハビリをすること3ケ月。
杖を使用して歩けるまでに回復したのです。
家に帰りたい一心で、リハビリを頑張ったわよ~
退院後は、ヘルパーさんや訪問診療、自治体のサービスなどを利用しながら自宅で生活することができるようになりました。
しかし半年後・・・
手術をした方の足がパンパンに腫れて、痛みで動けなくなってしまいました。
骨折しているようですが、ヘルパーさんや訪問診療の医師が受診を勧めても本人は頑として絶対に病院には行かないと言うのです。
「病院に行ったら絶対入院になってしまう。もう入院はしたくない、ここで死にたいの。」
しかたなく、ヘルパーさんに来てもらう回数を増やしてもらい、ベット上で生活すること1週間。
さすがに痛みが増してきたのでしょう。
ケアマネジャーから「レントゲンを撮りに病院にいきましょう。」といわれ素直に救急搬送されたのでした。
結果はやはり骨折。
骨折していると聞いても、絶対に入院はしないというよし子さん。
診察室で大騒ぎしましたが、かけつけた息子さんに説得され、入院→手術→施設入所という経過をたどり、二度と自宅に戻ってくることはありませんでした。
寝たきりになっても自宅で最期を迎えさせてあげたかったな。