特別養護老人ホームに入居できる人とは。
2025年には、団塊の世代が75歳を迎え、日本の高齢者人口は過去にない人数となります。
それに伴い、介護施設がたくさん作られていますね。
私の住んでいる地域では、今年もまた特別養護老人ホームがオープンしました。
新築のすばらしい建物です。
特別養護老人ホームに入所するには、介護保険を申請して要介護3~要介護5の認定を受ける必要があります。
大丈夫ですよ。年金の少ない人は、部屋代と食事代が安くなる制度があります。
特別養護老人ホームでは、介護保険負担限度額認定の申請や高額介護サービス費等支給申請を行うことで、おおよそ年金の範囲で入所できるように、料金設定がされています。
生活保護受給者の方でも、4人部屋であれ特別養護老人ホームに入所できます。
上げ膳据え膳で1日3食、食事が提供されます。
掃除や洗濯も施設の職員がやってくれます。
しかし、自由はない。
要介護3以上の介助量の多い人が入所するわけですから、いつも介護職員が見守っています。
例え自分で歩くことができる人でも、特別養護老人ホームに入所したら1人で外に出ることは許されないでしょう。
寝たりきりの状態でも、機械浴を使用して入浴することができますが、入浴は週に2回のところが多いです。
お風呂が好きな人はかわいそうですね。
自宅にいる時には毎日入浴していた人が、特別養護老人ホームに入所したら週に2回しか入浴できなくなるのです。
食事の好き嫌いの多い人も、特別養護老人ホームではつらいですね。
食事のメニューもいろいろ選べればいいのですが、決まったメニューが提供され全員同じおかずを食べます。
食事形態は刻み食の人や、トロミを付ける人もいますが・・・
やっぱり自由がない。
近所のコンビニにも行けない。
好きな時間に好きなおやつを食べる事もできない。
夜中まで洋画を見ることもできない。
もう、大好きな晩酌もできなくなるのです。
ないないづくしです。
それでも、自宅で生活することが困難である場合は、特別養護老人ホームに入所するのがベストな場合もあります。
大腿骨を骨折し、入院中の和子さん(仮名)91歳。
和子さんは、一昨年ご主人を特別養護老人ホームで看取ってから一人で暮らしていました。
近所のスーパーへ歩行器を使用して買い物に行き、毎日自分で食事を作って、晩酌も楽しんでいました。
ある日、1人でバスに乗ったところ、座席に座る前にバスが発車してしまい、そのいきおいで転倒してしまいました。
大腿骨を骨折して入院。
手術をしましたが、車イスが必要な状況となりました。
和子さんは入院中に介護保険の更新があり、要介護3と認定を受けました。
隣県に住んでいる息子さんは、さすがにもう1人暮らしは無理だろうと思い、入院している病院の医療シーシャルワーカーとも相談して、特別養護老人ホームの申し込みをしました。
ところが和子さん本人は頑として施設入所はしたくないと言い張ります。
死ぬまで自宅で生活したいと言うのです。
和子さんの話をよく聞くと、亡くなったご主人が特別養護老人ホームに入所した際に、施設側のひどい対応を見て、絶対に入所はしたくないと思ったということでした。
現在、和子さんはまだ入院中ですが、自宅に帰るために回復期病棟で懸命にリハビリを継続中です。
頑固な和子さんに、息子さんはあきれているけれど、和子さんの人生です。
和子さんが安心して住み慣れた自宅で1人暮らしができるように、私達は精一杯サポートしていきますからね。