介護に正解はないのだ

介護分野で勤務し23年。自宅で介護をしている方や介護職員のみなさんに、役に立つ情報を発信していきま~す。

介護保険負担限度額認定の有効期限がまもなく切れます。

介護保険負担限度額認定とは

Q&A】負担限度額認定証とはなんですか?|みんなの介護

介護保険負担限度額認定とは、収入の少ない人でも介護施設に入所できるように、収入に応じて施設の部屋代や食事代が安くなる制度です。

申請には、申請書類の他に預貯金額が分かるように通帳のコピーも提出します。

毎年7月31日に有効期間が定められていますので、特別養護老人ホームや介護老人保健施設ショートステイの利用をしている人で、介護負担限度額認定を受けている人は、そろそろ更新の申請をしましょう。

今年の8月から、制度の内容が少し変更になります。

これまでは、預貯金が単身で1,000万円、夫婦で2,000万円以下の人は、年金などの収入が少なければ介護保険負担限度額認定の対象でした。

令和3年8月からは、年金収入が80万円以下の人でも単身で預貯金が650万円あると、介護保険負担限度額認定が認められなくなります。

                

【令和3年8月からの介護保険負担限度額認定要件の預貯金額】                 

年金収入等80万円以下(第2段階) 単身650万円、夫婦1,650万円

年金収入等80万円超120万円以下(第3段階①) 単身550万円、夫婦1,550万円

年金収入等120万円超(第3段階②) 単身500万円、夫婦1,500万円 

私の年金は年間70万円。預金は200万円しかないけど、株を450万円運用しているよ。

その場合も、介護保険負担限度額認定の対象外になります。

資産が650万円あるので介護施設での料金は減額されませんが、預金が減ってきて株などの有価証券と合わせて650万円以内になったら、介護保険負担限度額認定を受けることができます。

これ以上預金が減るのは心配だな~

介護保険負担限度額の認定を受けている人の施設利用時(介護保険施設ショートステイ)の食事代の負担も変更になります。

介護保険施設の食事代は基準額が決まっており、これまでは1日1,392円でしたが、8月からは1日1,445円になります。

この基準額で運営してい介護施設もあれば、1日の食事代を2,500円前後に設けている介護施設もあります。

通常、介護保険負担限度額の対象でない人は、この基準額以上の介護施設で決められた食事代を支払います。

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【令和3年8月からの介護保険負担限度額認定者の介護保険施設ショートステイ利用時の食事代】

年金収入等80万円以下(第2段階)

施設入所時の食事代はこれまで同様1日390円ですが、ショートステイ利用時の食事代は1日390円→1日600円に増額。

年金収入等80万円超120万円以下(第3段階①)

施設入所時の食事代はこれまで同様1日650円ですが、ショートステイ利用時の食事代は1日650円→1日1,000円に増額。 

年金収入等120万円超(第3段階②) 

施設入所時の食事代は1日650円→1日1,360円に増額。ショートステイ利用時は1日650→1,300円に増額となります。

だいたい年金収入で介護施設に入所できる計算になりますね。

介護保険制度ができたころは、この食事代も介護保険で賄っていたのですが、だんだん利用者さんの負担も大きくなっていきますね。

それだけ国の財政が圧迫しているということなのでしょう。

今回の改正で、年金収入などが80万円超え120万円前後の第3段階と呼ばれている利用者さんが、120万円で区切られた負担増額の変更となりました。

しかし、80万円超120万円以下の利用者さんは、収入の幅が40万円もあります。

120万円で区切るなら、不公平にならないようこの40万円の幅ももう少し小さくするべきではないでしょうか。