大好きな梅干しが食べたい。
施設に入所している女性のご利用者さんが、病院受診から戻ってきました。
家族から報告を受けた看護師さんが介護職員に、「梅干し禁止だって~」と大きな声で伝えていました。
切ないですね。
あと何年、いや何ヶ月生きられるか分からない。
それなのに、お迎えがくるその時まで、大好きな梅干しが食べられない。
高齢者の方は、梅干しが好きな人は多いです。
施設で提供される食事には、梅干しは提供されないことがほとんどですが、梅干しを持ち込む人(家族が差し入れ)は多いです。
食欲がない朝でも、梅干しがあればご飯が食べられる人もいます。
施設に入所している、ある高齢の男性利用者さん。
梅干しは1日1個と決められています。
「梅干しが食べたいよ~」
と、毎日大きな声で叫んでいます。
とても梅干しが好きなのでしょうね。
この方もあと何年生きられるか分からない高齢者です。
好きなものを好きなだけ食べさせてあげたい。
今日、梅干しを食べることを我慢したら、寿命が10年延びますか?
終末期のご利用者さんの中には、主治医から「食べられるものを食べさせてください。」と言われることがあります。
施設の看護師や介護職員は、主治医の指示で判断しますから、「梅干しは禁止」と医師から言われれば、出すことができないのです。
塩分に気を付けて、健康管理をすることはとても大事なことです。
年齢がもう少し若くて、塩分制限をすることで、寿命が延びるのであれば、梅干しを我慢する意味もあるでしょう。
でも、あと数ヶ月の命だとしたら・・・
私は専門職としては失格かもしれませんが、本人が望むのであれば大好きな梅干しを食べてもらいたいと思います。