介護に正解はないのだ

介護分野で勤務し23年。自宅で介護をしている方や介護職員のみなさんに、役に立つ情報を発信していきま~す。

高齢者が圧迫骨折になったときにつけるコルセット

高齢者は脊椎圧迫骨折になりやすいですが、圧迫骨折になったらどのように治療をしていくのでしょう。

 圧迫骨折で整形外科に入院すると、医師からこのようなコルセットを作るように言われます。

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お値段約6万円。

後期高齢者の人であれば、申請することで負担割合を引いた分が、後期高齢者医療保険から戻ってきます。

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しばらく安静後に、このコルセットを装着して、ベットから離床しリハビリを開始します。 

医師の許可がでるまで3ケ月~4ケ月ほど、このコルセットを装着して生活します。

寝る時以外は装着しているので、かなり煩わしいですね。

装着も自分でできる人はいいのですが、高齢者ですとなかなか自分ではできません。

退院後は、ご家族が装着の介助をすることになるでしょう。

このコルセットを外してよいと医師から許可がでないと、入浴時に浴槽をまたぐことも禁止されます。

ただし、医師によって治療の方法は違うようで、私の義母が圧迫骨折で救急搬送されたときには、総合病院の整形外科医からコルセットを作るとは言われませんでした。

高齢者は動かないと動けなくなるから、どんどん動くようにと言われ、入院もせず痛み止めの座薬だけ処方されて、自宅で介護していました。

入院させてくれる病院に搬送してほしかったな~

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 圧迫骨折で入院していたトシ子さん(仮名)、87歳。

トシ子さんは認知症がありますが、週3回ディサービスを利用しながら自宅で娘さん夫婦と一緒に生活していました。

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ある日、腰の痛みの訴えがあり、娘さんが病院に連れていくと圧迫骨折と診断されて、入院となりました。

医師の指示で、2週間はベットで安静にしていなければいけません。

ところが、腰は痛いはずなのに、看護師が目を離すとフラフラ病院内を徘徊してしまうのです。

しかたなく体幹抑制ベルトを付けられてしまったのですが、これも上手に抜け出していきます。

1週間で病院から出されてしまいました。

その後、自宅での生活は困難なので、ショートステイを利用。

1週間の入院中にコルセットを作ったのですが、これもまた付けたがらない。

「なぜどこも悪くないのに、こんなのを付けなくちゃいけないの!」と・・・

たしかに大きなコルセットは煩わしいですから、トシ子さんの気持ちも分かります。

コルセットを装着しても、いつのまにか自分で取ってしまいます。

ショートステイの看護師や介護職員が、トシ子さんをなだめてはコルセットを装着するという繰り返しです。

しばらくすると、コルセットがなくても大丈夫な状態になったので、トシ子さんは自宅へと帰っていきました。

よくなって良かったですね、トシ子さん。