ヘルパーさんとは
ホームヘルパーは、介護が必要な方のお住まいへ訪問し、できるだけ住み慣れた地域で自立した生活が送れるように、食事、排泄、入浴などの介助の支援を行います。
利用者さんの中には、ヘルパーさんをお手伝いさんのように思っている人もいますが、原則ケアマネジャーが作成したケアプラン(居宅サービス計画書)をもとに作成された「訪問介護計画書」の内容以外のサービスを受けることはできません。
介護保険での訪問介護のサービスには、「身体介護サービス」と「生活援助サービス」があります。
身体介護サービスとは
身体介護とは、利用者さんの体に直接触れて行う介助で、入浴や排泄の介助、自分で食べられない人への食事介助、更衣、整容などの日常生活上必要な動作の自立を支援するためのサービスです。
生活援助サービスとは
生活援助とは、調理、洗濯、掃除などの日常生活の援助を利用者さん本人の代わりに行うサービスです。
生活援助は、家事代行サービスではないため、家事ができる家族と同居している場合は利用できないほか、利用者さん以外のためにサービスを行うことはできません。
ヘルパーさんのできないこと
草むしり、窓ふきはヘルパーさんはできません。
大きな家具の移動や、大掃除もできません。
どうしてもヘルパーさんに頼みたい場合は、自費サービスを利用しましょう。
自費サービスは1時間2,000円~3,000円くらいで頼むことが可能です。
介護保険でヘルパーさんを利用した場合の負担に比べたら、高く感じますね。
ペットのお世話も、介護保険ではできません。
以前、高齢のご夫婦が飼われていた室内犬が、室内のあちこちにウンチを落としていたことがありました。
このウンチを「介護保険ではヘルパーは拾えません。」とは言いにくいですねぇ。
訪問介護事業所のサービス提供責任者の佐藤さん(仮名)40歳。
佐藤さんは、訪問介護事業所を家族経営で運営しています。
ある日、佐藤さんがいつものように1人暮らしの高齢女性のお宅に訪問したところ、飼っているワンコがとても汚いことに気づきました。
そのワンコは、絡まった毛が毛玉になり、白かったであろう全身の毛は茶色く薄汚れていました。
「そうだ、身体介護を1時間利用したことにして、トリミングに連れていってあげよう。」
そう思いついた佐藤さんは、高齢女性の息子さんに電話をしてその提案を伝えました。
介護保険でそれはだめでしょ~行政にバレたら営業停止になっちゃうよ!
結局、息子さんがトリミングに連れていくことになり、その話はなくなりましたが、こんなことを言い出すサービス提供責任者もいるのです。
身体介護を1時間利用した場合、1割負担の利用者さんであれば400円ほどの負担で済みます。
佐藤さんの事業所は、ワンコをトリミングのお店に送迎して、4,000円の収入を得ることになるのです。
そんなことをしている人がいるから、介護保険料がどんどん上がっていってしまうのです。
その後、佐藤さんの家族経営の訪問介護事業所は経営不振で倒産してしまいました。