住宅型有料老人ホームとは
住宅型有料老人ホームは介護付き有料老人ホームとは違い、入居する施設と契約してから自分が必要な介護サービスを選択します。
例えば、1人でお風呂に入るのが不安であれば、施設の中にある浴槽を使用して、ヘルパーさんに入浴介助をお願いしたり(訪問介護)、通所サービスを利用して外出し、ディサービスで入浴の介助を受ける方法などがあります。
訪問リハビリを利用して、理学療法士などに来てもらい、リハビリを受けることもできます。
また、介護用ベットや車イスも、原則要介護2以上の方は介護保険でレンタルできます。
自宅で生活している方と同じように、介護保険を利用する場合には、居宅介護支援事業所のケアマネジャーがケアプラン(計画書)を作成します。
住宅型有料老人ホームは「見守り付きのアパートを借りているようなイメージ」の施設です。
ある程度、自分の身の回りのことはできる人が入居することが想定されます。
新しくできた住宅型有料老人ホームを見学
今回依頼のあった住宅型有料老人ホームは最近できた新しい施設です。
さっそく見学に行ってきました。
平屋建ての素敵な建物。
玄関には自動で計測する体温計や、上から降ってくる自動消毒できる機械も備え付けてあり、感染対策ば万全の様子。
玄関から中に入ると、そこはまるで老舗旅館のような作りになっていました。
施設自体は新築で新しいのだけれど、囲炉裏があったり事務所の受付が旅館のようになっていて、木のぬくもりがすごいいい感じでした。
ホールもとっても広くて解放感があります。
入居費用も月に15万円ほどで、リーズナブル。
この他に選択した介護保険利用分は別途費用が発生します。
自分の部屋で使う消耗品なども、別に購入します。
1ケ月15万もかかるのか・・・私の年金じゃ無理だね。子供もいないし。
生活保護を受給している方も入居していますよ。お住まいの市役所で相談してみて下さい。
今回見学した住宅型有料老人ホームは、部屋に冷蔵庫を置いて飲み物を自由に飲むことも、ビールを飲むことも可能との事。
住宅型有料老人ホームは住所の登録が日本のどこにあっても入居することができます。
住所の登録は今まで住んでいたところに残し、子供が住んでいる地域にある住宅型有料老人ホームに入居する方、東京は施設の入居金が高いので地方の住宅型有料老人ホームに入居する方などがいます。
もし、住宅型有料老人ホームに住所を移した場合でも、もともと住んでいた住所地の保険者(市区町村)が介護保険の費用の中で利用者さんの負担割合分を除いた分は負担します。
そうでないと、住宅型有料老人ホームがたくさんある地域の負担が多くなってしまうからです。
中には寝たきりの方も・・・
住宅型有料老人ホームに入居している人の中には、要介護5の認定を受けている人もいます。
要介護5で寝たきりの状態であれば、特別養護老人ホームに入所するイメージがありますが、住宅型有料老人ホームに入居し、介護を受けることも可能です。
それは、経営者の方針で決まってしまうようですが・・・
住宅型有料老人ホームに入居している五郎さん(仮名51歳)
五郎さんは脳出血の後遺症があり、寝たきりの状態です。
手足がまったく動かず、自分ではご飯を食べることもできません。
介護保険は要介護5の認定を受けていますが、毎日の訪問介護のヘルパーさんの介助の他に、訪問看護の利用や福祉用具をレンタルしています。
毎日のオムツ交換、1日3食の食事介助、体位交換や口腔清潔の介助、清拭の介助などなど、まったく動けない五郎さんを支援するためには介護保険の限度額だけではとても足りない状況です。
そこで、行政に相談。
障害福祉サービスの利用ができることになりました。
介護保険と障害福祉サービスを併用することで、寝たきりでも住宅型有料老人ホームで手厚い介護を受けることができるようになったのです。
すべて国民の税金を使うわけですから、相談に行くのは心苦しいこともあると思います。
しかし、行政は申請しなければ何もしてくれません。
困ったときには、知識の豊富なケアマネジャーや市区町村の窓口に相談しましょう。