自分では体が動かせなくても、自宅で入浴することができる。
加齢や病気が原因で、寝たきりになってしまっても、最後まで自宅での生活を希望している人がいます。
たとえ、自分で体を動かせなくても、自宅で入浴することは可能です。
一歩も外に出なくて汗をかいていなくても、入浴をするということは、清潔を保つということ以外にもとても重要なことがあります。
・入浴することで、血流が良くなります。
・血流が良くなることで、褥瘡(床ずれ)が防止できます。
寝たきりなのに、どうやって自宅で入浴するの?
寝たきりの方が、自宅で入浴する方法はいくつかありますが、介護する人の負担を考えると、訪問入浴を利用するのがベストです。
介護保険での訪問入浴では、看護師1名と介護士2名の3人のスタッフが1組となって自宅を訪問し、入浴の介助をします。
浴槽を車に積んで、自宅内へ運びますので、浴槽が置けるスペースは必要です。
専用の車には、お湯を沸かす機能が備わっています。
訪問入浴の料金
介護保険の1割負担の人で、1回の訪問入浴の料金は約1,300円です。
おおよそ、1時間くらいの所要時間で入浴の介助をします。
使用したお湯を捨てるために、排水させていただき、次のお宅への訪問のためにお水をいただく場合があります。
生まれつき障害のあるユキさん(仮名)40歳。
ユキさんは、生まれつき四肢(両手・両足)に麻痺があり、自分で立つことはできません。
ユキさんは母親との2人暮らしで、身の回りのことは母親がお世話をしています。
ユキさんの場合は、訪問入浴ではなく、訪問介護のヘルパーさん2人の介助で、自宅の浴槽を使用して入浴しています。
体を洗う時には、シャワーキャリーを使用。
浴槽への出入りは、上肢と下肢をそれぞれヘルパーさんが抱えて、入浴します。
ユキさんの場合は、四肢に麻痺がありますが、その他には大きな病気がなかったことと、体重が40kgくらいだったので、ヘルパーさん2人による自宅の浴槽での入浴が可能でした。
ユキさんは、特定疾病ではないので、介護保険の対象ではありません。
障害福祉制度の利用で、入浴介助を受けています。
ユキさんは非課税世帯(低所得)なので、障害福祉制度によって入浴の支援を受けた分の支払いの負担はありません。
介護保険対象の方の場合は、ヘルパーさんの2人介助で入浴した場合、1割負担の人が1時間利用して1回約800円となります。
障害福祉制度と介護保険制度では、利用者さんが負担する料金が違います。
介護保険優先
障害福祉制度と介護保険制度では、介護保険制度の方が優先的に使うことになっています。
これまで障害福祉制度を利用していた人が65歳になって、介護保険の利用対象となった時に、同じ介護サービスを利用しても負担が増える場合があります。