いつまでもトイレで排泄して、QOL(生活の質)を維持しよう。
膝の痛みや下肢筋力の低下が原因で、トイレで排泄するのが困難になっても、できるかぎりトイレで排泄できるようにするにはどうしたらいいでしょうか。
まずは、トイレ内の環境を整えましょう。
トイレ内に手すりを設置するだけで、下肢筋力の弱ってきた高齢者には数段楽に排泄できると思います。
L字手すりの設置
住宅改修ができる家であれば、L字型の手すりの設置をしてはどうでしょうか?
介護保険の認定を受けている方であれば、介護保険の「住宅改修費支給」が利用できます。
補高便座の設置
身長の高い人や膝の痛みが強い人は、便座が低いと立ち上がりにくいですが、便座を高くすることで、立ち上がりが楽にできます。
商品によって3cm~10cm高くすることができます。
商品代金は15,000円前後ですが、介護保険の1割負担の人であれば、介護保険の「特定福祉用具販売」が利用できますから、実質1,500円前後で購入できます。
介護保険の特定福祉用具販売(購入費)は年間10万円まで、利用可能です。
フレーム型の手すりの設置
フレーム型の手すりは、両手で手すりを押して立ち上がりすることで、立ち上がりが楽にできます。
はねあげ式で手すりが上に上がるタイプの商品もあります。
この手すりは、介護保険のレンタルで対応しています。
1割負担の人であれば、1ケ月300円前後でレンタルできます。
ただし、トイレ内が極端にせまい場合は、設置できない場合があります。
縦手すりの設置
立ち上がりの補助や、ズボンの上げ下げ時につかまって転倒を防ぐめに、便器の正面に縦手すりを付けるのも、安全に排泄動作を行うために有効です。
工事をして手すりを取り付ける場合は、介護保険の「住宅改修費支給」が利用できますが、最近ではホームセンターで手すりを購入して取り付ける人もいます。
介護保険のレンタル品でも、縦手すりがあります。
賃貸にお住まいで工事のできない人や、一時的に手すりを設置したい人にはお勧めです。
上記の縦手すりは、床と天井までの長さがあります。
介護保険の1割負担の人であれば、1ケ月300円前後でレンタルできます。
手すりを付けたら、だいぶ楽になったよ。
良かったですね。
トイレで排泄するという行為は、高齢者の尊厳の問題にも関係してきます。
介護をしているご家族の方も、トイレで排泄できるか、オムツで排泄するかによって、介助量もだいぶ違うでしょう。
いつまでも、トイレで排泄できるように、福祉用具専門相談員やケアマネジャーに相談して、トイレ内の環境を整備していきましょう。