介護に正解はないのだ

介護分野で勤務し20年。自宅で介護をしている方や介護職員のみなさんに、役に立つ情報を発信していきま~す。

床からの立ち上がりが困難になったら。

日本人は畳が好き。

若いときはフローリングのお部屋にあこがれたものですが、年を重ねてくると、やはり畳がある和室は落ち着きます。

こたつで寝る人のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや
高齢になったら、「イスとテーブルの生活にしたほうがいい。」とよく耳にしますが、これから寒くなる季節、コタツであたたまって過ごす幸せ感は、なくしたくありません。

立ち上がりが困難になったら。

テーブルを支えにしても立ち上がりが困難になってしまった時には、福祉用具を活用しましょう。

 

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立ち上がりの補助として、手すりの設置をしてみましょう。

介護保険でレンタル可能です。

レンタル品のいいところは、やっぱりこれは違うなと思ったら、すぐに返却できるところです。

一度試してみましょう。

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また、上記の写真のようなピックアップ歩行器をテーブルの横に置いて、支えにして立ち上がるのも有効です。

しかし、あくまでも歩行器なので、手すり代わりに使用すれば、転倒する危険があります。

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布団からの立ち上がりが困難な人向けの手すりもあります。

布団の横に、一番上の写真の手すり(たちあっぷ)を設置するのも、立ち上がりの補助として有効です。

いずれの商品も、介護保険の負担割合が1割負担の人で、1ケ月300円前後でレンタルできます。

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下肢筋力の低下で、立ち上がりが困難な五郎さん(仮名)84歳。

五郎さんは、奥さんとの2人暮らしです。

自宅内は歩行器を使用して、なんとか自分で移動することができています。

寝るときは、介護用ベットを使用して、ベット柵や歩行器を支えにして、ベットからの立ち上がりも自立しています。

食事編】おじいちゃん&おばあちゃん 無料イラスト | 素材Good

五郎さんの家の茶の間には、掘りごたつがあります。

冬は掘りごたつに入って、ぬくぬくしながら時代劇を見るのが五郎さんの楽しみです。

ところが、最近掘りごたつに入ると、自分では立てなくなってしまったのです。

そこで、福祉用具の専門家に相談。

さっそく、便利な商品を持ってきてくれました。

 独立宣言 ツイスト

昇降機能のある座イスです。

回転機能もついているので、コタツから昇降機能を使って立ち上がり、横向きに回転させてから歩行器につかまって、一人でも移動が可能となりました。

五郎さんは、介護保険の負担割合が1割負担なので、この商品は1ケ月1,532円でレンタルできます。

五郎さんは、この座イスを導入したことで、掘りごたつで幸せな時間を過ごすことができています。

そして、奥様の支援を受けながら、今も自宅での自立した生活が継続できています。

良かったですね、五郎さん。