グループホームとは
介護保険でのグループホームは、認知症の診断をうけた要支援2から要介護5までの利用者さん9人が、ひとつ屋根の下で共同生活をする介護施設です。
部屋は個室です。
基本的にテーブルやタンスなどの家具は、自分の好きなものや使い慣れたものを持っていくことができます。
特養(特別養護老人ホーム)や老健(介護老人保健施設)のように、収入の少ない人が利用できる介護保険負担限度額認定証は、グループホームでは適用できません。
ある程度の収入がないと、グループホームへの入所は難しいでしょう。
グループホームの部屋代や食事代は、その地域の実情などでも違ってきます。
地方では1ケ月13万円~17万円程度で入所できますが、お住まいの地域によっては1ケ月20万円以上の負担になる場合もあります。
グルーホームに入所している人は、全員認知症の利用者さん。
介護保険のグループホームに入所している人は、全員認知症のある利用者さんです。
認知症の診断をうけていなければ、グループホームに入所することはできません。
認知症の利用者さんが、自立した生活ができるようにサポートするため、職員配置も手厚くなっています。
日中は利用者さん3人に対し1人の介護職員が対応できるように人員配置をします。
夜間は9人の利用者さんに1人の介護職員が対応します。
通常、ユニット型の特養でも2ユニット(20人)に対して、夜勤者1人の配置ですから、グループホームの職員配置が手厚いことが分かります。
全員認知症のある利用者さんですから、いろいろなことが起こる。
認知症があるので、日常の生活のなかでもいろいろなことが起こります。
食事を食べたことを忘れたり、目を離したすきにいなくなってしまったり・・・・
認知症ですから、いろいろなことを忘れます。
もちろんなにもかも分からないわけではないので、職員に怒られても怒られた内容は忘れますが、その職員に対し怒られたようなイメージは残ります。
グループホームに入所中のタケ子さん(仮名)66歳とウメ子さん(仮名)88歳。
タケ子さんとウメ子さんは、認知症がありグループホームに入所しています。
タケ子さんは、まだ年齢が若く、声掛けと見守りがあれば家事ができます。
グループホームの職員と一緒に、毎日の食事作りを手伝っています。
ある日、夕食が終わって一段落したころ、タケ子さんは台所に行って冷蔵庫からマヨネーズを取り出し、直接マヨネーズをチューっと吸ってしまいました。
タケ子さんはマヨネーズが大好きなんですね。
それに気づいた男性職員(54歳)が、「何してるんだ!!」と怒りタケ子さんの腕を叩いたのです。
タケ子さんに大きなケガはなく、その後は怒られたことも忘れてしまったようですが、それを見ていたウメ子さんが、その日からその男性職員を見ると「怖い・・」とおびえて女性職員の陰にかくれるようになってしまったのです。
その事実は、目撃したほかの職員から経営者に報告されましたが、特にその男性職員にはおとがめなし。
事実はタケ子さんの家族に報告することもなく、闇にほうむられてしまいました。