介護に正解はないのだ

介護分野で勤務し20年。自宅で介護をしている方や介護職員のみなさんに、役に立つ情報を発信していきま~す。

医療保険で利用できる訪問看護サービスとは?

医療保険介護保険では、介護保険が優先

在宅で介護サービスを利用する場合、介護保険の対象者であれば、通常は介護保険を利用します。

介護保険にある介護サービスの中には、医療保険で利用できるものと同じ内容のものがあります。

訪問看護師が訪問看護ステーションの自動車の前で立っているイラスト ...

例えば、訪問看護の利用をする場合、医療保険でも訪問看護サービスはあります。

しかし、介護保険の対象者であれば、介護保険が優先ですから、介護保険制度の訪問看護を利用することになります。

介護保険の認定を受けていても、医療保険訪問看護を利用する場合がある。

厚生労働大臣の定める疾患の方の場合、訪問看護を利用する場合は介護保険の認定をうけていても、医療保険での利用となります。

厚生労働大臣の定める疾患とは、末期のガンをはじめ、脊髄小脳変性症や多系統萎縮症などの難病があります。

 以下の病気の場合は、介護保険の認定を受けていても、訪問看護医療保険になります。

40歳から64歳の人の場合は?

介護保険は40歳から申請できますが、40歳から64歳の人が介護認定を受けることができるのは、厚生労働省が定める特定疾患(16疾患)の人だけです。

はじめての方へ】特定疾病とは|65歳未満も介護保険対象となる16の病気 ...

厚労省が定義する介護保険特定疾病は、「心身の病的加齢現象と医学的な関係があると考えられる疾病、そして加齢とともに生じる心身の変化が原因で、要介護状態を引き起こすような心身の障害をもたらすと認められる疾病。」とされています。

平たく言うと、加齢が原因の病気ということになり、16疾患が対象になっています。

①がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)

②関節リウマチ

筋萎縮性側索硬化症

後縦靭帯骨化症

⑤骨折を伴う骨粗鬆症

⑥初老期における認知症

⑦進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病

脊髄小脳変性症

⑨脊柱管狭窄症

⑩早老症

⑪多系統萎縮症

⑫糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

⑬脳血管疾患

⑭閉塞性動脈硬化

慢性閉塞性肺疾患

⑯両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

40歳から64歳の人で介護保険対象の方でない人(16特定疾患以外の人)が訪問看護を利用する場合は、医療保険での利用となります。

訪問看護を利用する場合には、医師の指示書が必要

医療保険介護保険ともに、訪問看護を利用する場合には、医師の指示書が必要です。

医師の指示書があって、はじめて訪問看護師は利用者さんの自宅を訪問することができます。

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難病のあるテル子さん(仮名)67歳。

テル子さんは、難病がありほぼ寝たきりの状態です。

介護保険は要介護5の認定を受けています。

要介護5の認定を受けて、介護保険をめーいっぱい使っても、自宅での生活は厳しいものがあります。

実際は介護保険で使える分の3倍くらいの介助量が必要です。

介護保険で足りない分は、家族が介護したり他のサービスで補っていきます。

OTナガミネのリハビリイラスト集=患者,ベッド,寝たきり,臥床傾向,体調 ...

テル子さんは、障害者手帳1級のため、医療保険はマル福(無料)になります。

そして、厚生労働大臣の定める疾患の1つである多系統萎縮症という難病なので、訪問看護医療保険を利用します。

訪問看護ステーションからの訪問リハビリも、医療保険の対象となります。

テル子さんは週2回の訪問看護と、週2回の訪問看護ステーションからの訪問リハビリを利用しています。

訪問リハビリテーションとは? 自宅でリハビリが受けられる介護保険 ...

どちらも医療保険で利用できますので、マル福であるテル子さんには支払いの負担はありません。

訪問看護の利用が、介護保険医療保険になるかは自分で決めることはできず、制度によって定められています。

介護保険医療保険では、同じ訪問看護の利用でも、支払う金額が違ってきます。