救急車を呼ぶとき
消防庁の調べでは、救急車の利用の約半数は軽症だとされています。
この軽症の人は、救急車の必要はなく、自力で受診が可能な人たちです。
しかし、突然の重い病気やひどいケガをした人に、応急手当を行い適切な医療機関へ搬送するのが、救急隊の役目です。
緊急性が高いと思ったときには、迷わず救急車を要請しましょう。
消防庁のリーフレットがあります。
救急車を呼びたくない場合
自宅で転倒し、痛みがある高齢者を、救急車を呼ぶには抵抗があるという家族の方がいます。
うちみだけかもしれないし、すぐに亡くなることはないだろうと考えているのかもしれません。
自力では歩けず、骨折の可能性がある場合でも、本人・家族が救急車を呼ぶのをためらう場合があります。
どうしても救急車を呼ぶのが嫌な場合は、介護タクシーで救急外来に行きましょう。
住宅型有料老人ホームに入居しているタカ男さん(仮名)70歳。
住宅型有料老人ホームは、見守りと食事の提供のある施設です。
住宅型有料老人ホームは、介護付きの施設ではありません。
入居している利用者さんは、介護保険を利用して、生活するために必要な介護サービスを選択します。
そのため、住宅型有料老人ホームでは夜間は見守りサービスのみ行っています。
緊急時には夜勤の職員が対応しています。
タカ男さんは、自分では歩行することができず車イスを使用しています。
ある晩、背中に猛烈なかゆみがあり、塗り薬を塗ってほしいため、ナースコールで職員を呼びました。
タカ男さんは、日ごろからナースコールの回数が多く、この日も夜勤の職員は、
「今、手が離せないので、少し待っていてください。」
と返事をして、タカ男さんの部屋には行きませんでした。
1時間待っても夜勤の職員が部屋に来てくれないので、タカ男さんはもう1度ナースコールを押しましたが、今度は返事もありません。
その後30分待っても夜勤の職員はタカ男さんの部屋に来ませんでした。
そこでタカ男さん、なにを思ったか自分の携帯電話から救急車を呼んでしまったのです。
時間はすでに深夜の0時を回ったころ・・・
救急車のサイレンを鳴らしながら、救急隊員3名が施設にやってきました。
これには、夜勤の職員もびっくり。
救急隊員は、救急要請があれば断ることはしません。
タカ男さんは背中のかゆみが我慢できなかったのかもしれませんが、背中のかゆみで呼ばれたのでは救急隊員も迷惑です。
その間にも、本当に急な病気やケガで救急車を待っている人がいるかもしれないのです。
救急車を呼ぶときには、本当に必要なときだけにしましょう。