親の介護は誰がするべきか
誰でも年をとれば、人の助けが必要になってきます。
親が年をとり、施設に入るほどではないけれど、お世話が必要になってきたときに、誰がお世話をするべきでしょうか?
戦前は家督制度というものがあり、長男が財産をすべて受け継ぐかわりに、親の世話をすることになっていました。
つまりは、長男の妻がお世話をしていました。
兄弟も多い時代ですね。
しかし、戦後の憲法改正で家督制度は廃止され、親が亡くなると財産は兄弟で等しく分ける時代となりました。
そのため、親の扶養義務も兄弟で等しくなり、必ずしも長男が親の世話をするという時代は終わったのです。
ところが、この令和の時代になっても、お嫁さんが親の介護をするべきだという考えの人の多いこと。
実際に、この時代でも長男のお嫁さんが義両親の介護をしている家も多いです。
お彼岸の時期に実家に帰る人は、お嫁さんにねぎらいの言葉をかけましょう。
お嫁さんの手前、そうしてくれると助かるのぅ。
親の介護をしたら、お嫁さんも財産をもらえるの?
答えは「NO」です。
お嫁さんに財産を受け取る権利はありません。
今の日本の法律では、たとえ実子でも介護をしただけでは、財産を多くもらうことはできません。
親の介護をしたことで、親の財産を増やすことができたなどという場合には、「寄与分」が認められるかもしれませんが・・・
親の介護をした子供も、介護をしていない子供も、等しく財産が分けられます。
親が亡くなったあとのトラブルを避けるには、財産の分け方について親に遺言書を書いといてもらいましょう。
食事の用意、病院の付き添い、介護保険の申請、などなど、親のお世話は多岐にわたります。
「介護」とまではいかなくても、年老いた親のお世話はけっこう大変です。
お金のない親のお世話をしている人もいます。
わがままな親のお世話をしている人もいます。
まったく親のお世話をしていない人は、中心的に親のお世話をしている人に「ありがとう」と言ってあげましょう。
案外それだけで、親の介護についての兄弟間のトラブルが、丸くおさまる場合もありますよ。