介護に正解はないのだ

介護分野で勤務し23年。自宅で介護をしている方や介護職員のみなさんに、役に立つ情報を発信していきま~す。

障害福祉の重度訪問介護

重度訪問介護とは

重度訪問介護」とは、重度の肢体不自由または重度の知的障害もしくは精神障害があり、常に介護が必要な人に対して、ヘルパーさんが自宅を訪問し、入浴・排泄・食事などの介護や調理・洗濯・掃除の家事など生活全般にわたる援助や、外出時の移動中の介護を総合的に行ってくれる支援です。障害支援区分が区分4以上であって、二肢以上に麻痺があるか、障害支援区分の認定項目のうち歩行・移乗・排尿・排便のいずれも支援が必要な人が利用できます。

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利用料金は、所得によって上限があり、上限額よりもサービスにかかる費用の1割の金額の方が低い場合にはその金額を支払います。

介護保険を利用している人は、原則介護保険の利用が優先となりますが、重度の障害があり介護保険では必要な介護サービスが限度額を超えてしまう場合には、申請をすることで重度訪問介護の利用ができる場合があります。

介護保険の認定が要介護5であることが、利用条件にはなるでしょう。

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難病があり寝たきりになってしまったひさ子さん(仮名)67歳。

ひさ子さんは、ご主人との2人暮らしです。

介護保険は要介護5と認定されています。

症状が進行し、口から食べれなくなり胃ろうを造りました。

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自分では痰も出せなくなり、痰吸引の介助も必要な状況です。

介護保険では1ケ月362,170円まで利用が可能ですが、毎日のオムツ交換や訪問入浴、福祉用具のレンタルなどの利用で、介護保険の利用限度額はいっぱいです。

その他にも、経管栄養や痰の吸引など介助量はとても多く、このままでは、ご主人も倒れてしまいそう。

そこで、市役所の障害福祉課へ重度訪問介護の利用ができるように相談に行きました。

障害福祉課の窓口では、何を聞いてものらりくらりのやる気のない市役所職員が対応し、

「今年異動になったばかりで、よくわからない。」と言うのです。

だったら分かる人に代わってよ~

申請書類についてもぜんぜん親切に教えてくれない。

分かる職員にも代わってくれない。

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しかたなく、しばらくの間はそのよくわかっていない市役所職員が窓口となり、申請の手続きを進めていく事になりました。

市役所では申請の仕方をよく説明してもらえなかったので、実際に重度訪問介護を利用している人に聞いて書類をそろえました。

結果的には、重度訪問介護の利用ができて、ひさ子さんは安心して自宅で生活できているけれど、あの担当者はあんまり市の財政を使ってほしくなかったのかなぁ。

こちらが強く主張しなければ、できれば重度訪問介護は使ってほしくないというような態度だったもの。

利用できる制度として存在しているのに、なんだかおかしいよね。