介護に正解はないのだ

介護分野で勤務し23年。自宅で介護をしている方や介護職員のみなさんに、役に立つ情報を発信していきま~す。

介護用ベットのいろいろ

介護用ベットってどんなベット?

介護用ベットとは、起き上がりや立ち上がりを補助する機能を備えた特殊寝台(電動ベット)のことです。

下肢筋力が低下した方などの自立支援や、ベット上での介護、車イスやリフトへの移乗などの介護をする人の負担を軽減します。 

介護用ベットの機能としては主なものとして背上げ機能高さ調整ひざ上げ機能があります。

1モータータイプは背上げ、高さ、ひざ上げのうちの1つのみ、2モーターは背上げとひざ上げの連動操作ができます。

3モーターは背上げとひざ上げを別々に操作でき、高さ調整もできます。

体の状態に合わせて、適切な介護用ベットを導入しましょう。

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介護用ベットは介護保険では原則要介護2以上の方がレンタル可能となっています。

介護用ベットをセットする前にはまず、お部屋のスペースを確認しましょう。

ヘットボード側(頭の方)は高さ調節のため15cmほどあけましょう。

車イスを使うためには、左右どちらかは1m以上のスペースを確保しましょう。

ベットからの転落や寝具のズレを防止するためには、サイドレールの設置が望ましいです。

また、立ち上がりの補助として介助バー(手すり)の取り付けも有効です。

大事なのはマットレス

ベットにばかり目が行きがちな介護用ベットですが、それ以上に重要なのはマットレスです。

ポイント! 自分の体に合ったマットレスをチョイスしましょう。 

毎日長時間、しかも体に直接接触するので、床ずれ対策や睡眠に大切な寝心地も考慮しましょう。

マットレスにはかためタイプリバーシブルタイプやわらかタイプがあります。

かためタイプの良いところは、端座位を取りやすく、立ち上がりや寝返りが容易なところです。

注意する点は、やわらかいタイプに比べて、寝心地が劣ります。

身体状況が低下している場合には、床ずれができやすくなります。

やわらかタイプの良い点は、耐圧を分散しやすく、床ずれのリスクを軽減できるところです。

注意する点は、寝返りがしずらく端座位が取りにくいので、自立性を重視する場合は不向きだと思います。

介護保険では、床ずれ防止用のマットレスもレンタルできるので、体の状態に合わせて適切な物を検討しましょう。

介護保険のレンタルのいいところは、体の状態の変化に合わせて福祉用具の交換が可能なところです。また、マットレスの汚れがひどい時も交換してもらえます。

様々な商品がありますので、福祉用具専門相談員に相談しましょう。

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鈴木さんご夫婦(仮名)。

とっても仲のいいご夫婦です。

奥様の病気が進行し、寝たきりの状態となりました。

ご主人はネットでいろいろ調べるうちに、「リショーネ」という介護用ベットを見つけました。

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パナソニックが発売している、ベットが車イスへ変化するタイプの介護用ベットです。

当時はまだ発売したばかりだったので、介護保険のレンタル商品の対象ではありませんでした。

販売個数も少ない上に、120万円ほどのする高額商品です。

ご主人は意を決して購入することを決めました。

ベットの端に体を移動させ、ベットを半分に分離させると車イスへと早変わりします。

リショーネを導入したことで、ご主人の負担はだいぶ減ったようでした。

それから1年後、なんと介護保険で「リショーネ」がレンタルできることになったのです。

介護保険の1割負担の方で1ケ月800円のレンタル料金です。

120万円で購入した鈴木さんは、損したような気持ちになるかもしれませんが、購入時にはレンタルしていなかったので仕方がありませんね。