介護に正解はないのだ

介護分野で勤務し20年。自宅で介護をしている方や介護職員のみなさんに、役に立つ情報を発信していきま~す。

ケアマネジャーの独立は可能か検証。

公平中立な立場のケアマネジャー

介護保険法では、「指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援の提供に当たっては、利用者の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立って、利用者に提供される指定居宅サービス等が特定の種類又は特定の指定居宅サービス事業者等に不当に偏することのないよう、公平中立に行わなければならない」と、定められています。

ケアマネジャーは公平中立な立場で、介護サービスの提供を行わなければいけません。

利用者さんに同じディサービスばかり勧めたりしてはいけません。

平成30年度の介護保険改定から、ケアマネジャーの事業所の重要事項説明書などに「複数の事業所を紹介する。」と明記しなくてはいけなくなりました。

しかし、ディサービス併設のケアマネジャーの事業所であれば、自分のところのディサービスを勧めているのが現状です。

ディサービス・訪問介護ショートステイなど、たくさんの事業所を経営している会社のケアマネジャーであれば、経営者から自分の会社の介護サービスを利用するように言われます。

これでは公平中立ではありません。

そこで、ケアマネジャーの事業所は、どこにも属さず独立できるのか調べてみました。

ケアマネジャーの事業所の指定をうけるための申請窓口は、各市町村の高齢福祉課になります。

指定をうけるには、法人であることが条件になります。

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株式会社か合同会社などの登記をする必要があります。

株式会社であれば最低15万円、合同会社であれば最低6万の登録免許税がかかります。

まず、この法人登記の壁が高そうです。

定款も作らなくてはいけません。

法人登記に使用する実印も作らなければいけません。

2015.1.9放送|司法書士のスマイル"法"you☆

法人としての登記が無事に済んだら、いよいよケアマネジャーの事業所として指定をうけるために、必要書類をそろえて市区町村の高齢福祉課へ申請します。

必要書類は、

①登記事項証明書

②従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表

③管理者の経歴

④資格証の写し

⑤平面図

⑥写真(外観、事務室、手洗い場)

⑦運営規定

⑧利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要

⑨関係市町村並びに他の保健医療・福祉サービスの提供主体との連携の内容

⑩誓約書

⑪介護支援専門員の氏名及びその登録番号

申請書類は、全部で11個あります。

これらの書類は、ケアマネジャーの管理者の経験があれば、事業所の更新時などにも揃えますからだいたい分かりますね。

ということは、法人の登記さえできれば、ケアマネジャーの事業所は立ち上げることができそうです。

厚生労働省は、独立型のケアマネジャーの事業所は勧めていますが、1人ケアマネの事業所はあまりよく思っていません。

なぜなら、ケアマネジャー本人が病気や事故にあった時に、代わりに対応してくれる人がいなくなってしまうからです。

しかし、公平中立を目指すのであれば、ケアマネジャーはすべて独立型にしなければ、自分の所属している会社のメリットになるように忖度しなくてはいけないようになります。

厚労省のエライ方にお願いしたい。

3年後の介護保険改定では、ケアマネジャーは独立型の事業所しか認めないと改定してほしい。