ヒートショック
高血圧の人は、冬の入浴に注意しましょう。
ヒートショックとは、急激な温度差によって体に及ぼす影響のことです。
冬に寒い脱衣所で服を脱いで裸になり、冷え切った浴室に入ると、血管がびっくりして縮み、血圧が急激に上がります。
その状態で熱いお湯につかると、さらに血圧が急上昇します。
しかし、体が温まることで今度は血管が広がりだし、血圧は下がっていきます。
このように血圧が急激に上がったり下がったりすることで、心臓に大きな負担がかかり、ヒートショックを招くのです。
ディサービスで入浴
介護保険の要介護認定をうけている高齢者の方は、ディサービスを利用して入浴してもいいと思います。
ディサービスでは、入浴をする前には血圧を測るし、脱衣所なども暖かくしているので、ヒートショックの予防になります。
ディサービスで入浴介助をしていると、高血圧症の利用者さんほど熱い浴槽に入りたがるように感じます。
適温にして入浴してもらうと、「ぬるいからもっと温度を上げてくれ。」とよく言われます。
ワタシは、できるかぎり自宅でお風呂に入りたいよ。
冬に自宅で入浴する場合は、浴室と部屋との温度差に気を付けましょうね。
自宅で入浴する場合は、浴室や脱衣所を暖めましょう。
高血圧症のフミさん(仮名)92歳。
フミさんは娘さんと暮らしています。
フミさんは、お風呂が大好きで、娘さんの介助で自宅で入浴していました。
ところが、最近歩行が困難になり、自宅で入浴できなくなってしまったのです。
そこで週2回、ディサービスを利用して入浴することになりました。
日ごろから血圧の高いフミさん。
ディサービスの看護師が、入浴前に血圧を測ると、収縮期血圧が200mmHg以上あります。
少し休んでもらってから、再度血圧を測りましたが、やはり200mmHg以上あります。
その日は、血圧が下がらず入浴することはできませんでした。
そのことを、ディサービスの職員が娘さんに報告したところ、
「入浴すれば血圧が下がるのだから、入浴させてくれればいいのに!」
と、怒っているというのです。
後日、娘さんには入浴時の血圧の急激な変動は、命の危険があることを丁寧に説明し、納得していただきました。
ディサービスの職員も、入浴中に利用者さんが亡くなるのは嫌ですよ。