介護に正解はないのだ

介護分野で勤務し20年。自宅で介護をしている方や介護職員のみなさんに、役に立つ情報を発信していきま~す。

冬のお風呂は要注意

ヒートショック

高血圧の人は、冬の入浴に注意しましょう。

ヒートショックとは、急激な温度差によって体に及ぼす影響のことです。

冬に寒い脱衣所で服を脱いで裸になり、冷え切った浴室に入ると、血管がびっくりして縮み、血圧が急激に上がります。

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その状態で熱いお湯につかると、さらに血圧が急上昇します。

しかし、体が温まることで今度は血管が広がりだし、血圧は下がっていきます。

このように血圧が急激に上がったり下がったりすることで、心臓に大きな負担がかかり、ヒートショックを招くのです。 

注意! 冬に増加する入浴中の「ヒートショック」の症状とその対策 ...

ディサービスで入浴

介護保険の要介護認定をうけている高齢者の方は、ディサービスを利用して入浴してもいいと思います。

ディサービスでは、入浴をする前には血圧を測るし、脱衣所なども暖かくしているので、ヒートショックの予防になります。

ディサービスで入浴介助をしていると、高血圧症の利用者さんほど熱い浴槽に入りたがるように感じます。

適温にして入浴してもらうと、「ぬるいからもっと温度を上げてくれ。」とよく言われます。

ワタシは、できるかぎり自宅でお風呂に入りたいよ。

冬に自宅で入浴する場合は、浴室と部屋との温度差に気を付けましょうね。

自宅で入浴する場合は、浴室や脱衣所を暖めましょう。

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高血圧症のフミさん(仮名)92歳。

フミさんは娘さんと暮らしています。

フミさんは、お風呂が大好きで、娘さんの介助で自宅で入浴していました。

入浴方法について

ところが、最近歩行が困難になり、自宅で入浴できなくなってしまったのです。

そこで週2回、ディサービスを利用して入浴することになりました。

日ごろから血圧の高いフミさん。

ディサービスの看護師が、入浴前に血圧を測ると、収縮期血圧が200mmHg以上あります。

少し休んでもらってから、再度血圧を測りましたが、やはり200mmHg以上あります。

その日は、血圧が下がらず入浴することはできませんでした。

そのことを、ディサービスの職員が娘さんに報告したところ、

「入浴すれば血圧が下がるのだから、入浴させてくれればいいのに!」

と、怒っているというのです。

後日、娘さんには入浴時の血圧の急激な変動は、命の危険があることを丁寧に説明し、納得していただきました。

ディサービスの職員も、入浴中に利用者さんが亡くなるのは嫌ですよ。